2014年3月10日月曜日

ダイナミック狂想曲・・・

ポタ研でも高評価をいただいた問屋DD-KAI。
ダイナミックならではの低音が、やはり皆さんの
耳に訴えかけるようです。


ただ、ダイナミックの扱いは結構むずかしいのです。
多くの場合、IEMを殻割りした時点で、元の音とは
違うものになってしまいます。問屋DD-KAIではそこを割り切って、
D型ドライバはあくまでウーファー的に使ってます。


こちらは、いつもお世話になっているみっきーさんから
いただいたゼンハイザーのIE800.
筐体の一部がかけており、「お好きなようにどうぞ」
との事でした。実験的にこれをカスタム化してみます。


ユニバーサル時の周波数特性。わずかあれだけの欠損で
マッチングがこれだけずれます。
仮に殻割したとすると、2kHz以降はほとんど出力されないような
ものになってしまいます。周波数特性から、 10kHz以上の
特性が良好であることが伺えるので、これをなくしてしまうのはもったいないですね。



 ということで、筐体ごとシェル内にぶち込んでしまいます。
この筐体がシェルに納まるかどうかは、オーナーの
耳の形状に大きく左右されます。シェル内は「一回り小さい耳穴 」
ですから、よほど耳穴が大きくてまっすぐな人じゃないと
納まらないですね・・・


てことでドスン。耳道がまっすぐで、かつ太さがないと難しい。


こうみると、ベントの形がかわいいですね。
これもデザイン的に生かしたかったんです。

 ノーマル版との比較。挿入がやや浅くなっているので
6kHzあたりにピークが発生しています。ただ
10kHz以降の音圧は上がってます。
欠けた部分を樹脂で埋めたので、マッチングも回復。

「 ダイナミックをカスタム化してくれないか?」
というお問い合わせは結構いただくんですが、
これを正式なサービスとしてはじめるまでには
まだまだ克服しないといけない課題がありそうです。

しばしお待ちを。