2013年3月9日土曜日

SE530分解とドライバ解析

ツイッターのフォロワの方から、SE530を譲りましょうか?とご提案が。
ブログのネタにすれば言い値で結構です、との事だったんですが
せっかくなのでフォロワさんのカスタムIEMにすることにしました。


カナブン、と称される筐体。僕は割りと好きです。SE535よりも
耳への収まりがいい。丸っこくて痛くないし。
このSE530、フォロワさんのお嬢さんが口に含んだらしくw、
右側からの音が弱いとのこと。


周波数特性を見るとウーファーが死んでいると思われます。
殻割りしてみましょう。


殻割りするときは、上と下の継ぎ目にカッターを入れていきますが、
ステム側から入れていくと割りと簡単に「パキ」っと接着剤が
剥がれていきます。

ただし、結構力を入れるので、鋭利な刃物を扱う際は注意してください。
刃物で手を切るときは、

1.刃先の延長に指や手がある
2.切る対象が極端に固いか柔らかい、もしくは滑りやすい

のいずれかのときだと思っていますが、この作業は二つの条件を満たしやすいですw
十分に慎重に。30分くらいかけて一つを殻割りするくらいの気持ちで。


さてパカっと割れました。久々でしたが綺麗に割れました。
筐体とドライバはスポンジみたいなもので接着されてます。
100均とかで打ってるスポンジ状の両面テープで代用可能?
ユニバーサル自作派の人にはヒントになるかも。

さて、今回はドライバごとの周波数特性を測りたいので、
フレキシブル基盤を剥がしてみます。


基盤のホールに付いたはんだを、こて先でチョイチョイ、とやって
あらかた取り除いたあと、再びホールにこて先をあてて、
カッターナイフ等で持ち上げて剥がしていきます。
コンデンサは2.2uF、抵抗は5.1Ωみたいです。

決して力ずくで持ち上げてはいけません。半田タップが剥がれます。
また、ハンダ吸い取り線を使ってもダメです。
あれを使う時はこて先を400度以上にしますが、こて先の熱で
やはり半田タップの接着剤がやられて剥がれます。



仮に半田タップが剥がれた時は、スズめっき線などをかぎ状に曲げて、
ホールから飛び出てるリード線に引っ掛けて半田付けします。
このままでは強度的に不安なので、半田付け後、エポキシ接着剤で
コーティングします。


カメの親子みたいなユニット。それぞれの形から、
ツイーターは2300系、ウーファーは3300系と推測されます。


まずはツイーターの比較。2323と予想してたんですが、
2323はデータシート上では2389と全く同じスペックで、センタータップの有無が
違いでしかありません。なので、赤と青のグラフがぴったり重なるかと思ったんですが、
これだと微妙ですねw やはりこれも特注なんでしょうか。

北杜うましさんから正常なSE530ウーファーを譲ってもらったので、こちらも測定。




面白かったのがウーファー。手持ちの3300系と比較してみたんですが、
特徴的なのは1kHz以降。綺麗にハイカットされてます。
TF10pro(ユニバーサルの10pro)の3300には、2354のように
ベントが開いています。このベントは高域のピークは変えず低域を持ち上げる
という効果がありそうです。
SE530のウーファーには、筐体側面に1.5mmくらいの割と大きい穴が
開いてます。これも低域を持ち上げるものかと思ったのですが、
どうやらそうではなく、ハイカットに影響しているのかも?
ベントの道も奥深い・・・w


週間『SE530』創刊。創刊号はハウジングがついて(ry
壊れてしまったウーファーについては洗浄も考えたのですが、
ベント付きの物は色々難しそうなので調査中。Sonionにメール送ったけど返信なしw

このSE530については、アップグレード案も出てるので今後どうなるでしょう。
お楽しみに。